那覇市から北西に約60kmほど離れた島に”粟国村”があります。
手付かずの自然と伝統文化が受け継がれる粟国村は、沖縄の田舎暮らしにぴったりな場所と言えるでしょう。
そこで今回は移住を考えたら気になる粟国村の住みやすさや環境・メリット・デメリットに至るまで詳しく解説していきます。
そんな疑問にお答えしますので、憧れていた沖縄での生活が「こんなはずでは・・・」とならないようぜひこの記事を参考にして下さい。
粟国村で忙しい日々から解放されたスローな沖縄ライフを実現させましょう!
はじめに:粟国村の概要と特徴
粟国村の場所と特徴
【粟国村の位置】
【粟国村の地図】
人口 | 645人(2023年12月時点) |
面積 | 7.65㎢ |
人口密度 | 84.3人/㎢ |
那覇空港からのアクセス | 飛行機の場合:約25分 車とフェリーの場合:約2時間20分 |
米軍基地の有無 | なし |
粟国村は慶良間諸島のさらに北西にある周囲12.8kmの小さな粟国島にあり一島一村で成り立っています。
沖縄の中では珍しい火山活動によって形成された島で、その特異な成り立ちから粟国島特有の美しい景観が作られ多数の絶景ポイントがあります。
また他の離島と比べ観光地化されていない手付かずの自然が多く残っており、沖縄の原風景に囲まれた島暮らしができるのも特徴です。
粟国村の治安状況
粟国村の犯罪率は0.29%と全国平均の0.33%を下回っており、治安状況は良いと判断できます。
(参照:スマイティ)
粟国村の騒音状況
粟国村における騒音に関する情報はなく、騒音問題はないと判断できます。
粟国村の渋滞状況
粟国村における渋滞に関する情報はなく、渋滞問題はないと判断できます。
粟国村に住むメリット・デメリット
粟国村のメリット
粟国島は沖縄の離島では珍しく観光地化が進んでいないため、手付かずの自然が残る穏やかな島です。
昔ながらの沖縄の風景が残るのどかな環境は「1日36時間」と言われるほどで、都会の喧騒を忘れてのんびりと過ごすにはぴったりです。
また粟国村は昔から続く伝統行事が今も多く受け継がれる祈りの島でもあります。
伝統行事に参加すれば島民と交流できる機会も増えるため、繋がりを作る良いキッカケ作りになるでしょう。
島への移住支援も積極的で空き家情報のほかに仕事の紹介もしてくれます。
粟国村のデメリット
粟国村は買い物できる場所が少なくコンビニもないため、欲しい物がすぐに手に入らない場合が多く不便に感じる事があると思います。
また粟国村は人口が少ないため賃貸物件の供給戸数も少なく、なかなか空き物件が見つからないことが多いです。
さらに沖縄は台風の直撃を受けやすい地域ですので、特に離島では船や飛行機が天候により欠航して身動きが取れないことや物流がストップする場面も出てきます。
事前に食料品を備えておくなど対策は必須です。
粟国村の家賃相場と物件状況
沖縄県専門不動産サイト「うちなーらいふ」に掲載されている粟国村の空き家物件は2024年1月時点で0件でした。
移住をお考えの方は、粟国島ポータルサイト「Agunity」の移住コンシェルジュにお問い合わせすることをお勧めします。
家賃相場 | |
1ルーム、1K | ー |
1DK、1LDK | ー |
2DK、2LDK | ー |
3DK、3LDK | ー |
粟国村の教育、子育て環境
子育て支援の内容
粟国村の子育て支援は以下の通りです。
・こども医療費助成(現物給付・自己負担なし:未就学児~中学生まで)
・出産祝い金の支給
・結婚祝い金
・給食費無料(小学校・中学校)
・妊婦健康診査旅費等助成金 交通費(定期船賃)や宿泊費を助成
(引用元:沖縄県公式移住応援サイト おきなわ島ぐらし)
公園の数や状況
粟国村には全3箇所の公園があります。
その中でも子供連れにオススメなのが粟国村南沿岸にある”ヘビ公園”です。
こちらの公園には滑り台やジャングルジム・うんていなどを組み合わせた大きな複合遊具が設置されています。
また沿岸にあるため景観が素晴らしく、ブランコに揺られながら大きな空と海の絶景を楽しむこともできるオススメスポットです。
保育園・幼稚園一覧
・粟国村立へき地保育所
・粟国村立粟国幼稚園
小学校一覧
・粟国村立粟国小学校
中学校一覧
・粟国村立粟国中学校
高校一覧
粟国村に高校はありません。
大学・専門学校一覧
粟国村に大学はありません。
粟国村の病院一覧(歯科以外)
・沖縄県立南部医療センター粟国診療所(公式HPはこちら)
診療科目:内科、外科、循環器科、呼吸器科、消化器科、小児科
粟国村の買い物スポット一覧
JAおきなわ 粟国支店購買店舗
JAグループの運営するスーパーマーケットです。
食料品や日用品を取り揃えており、粟国村の人々の生活を支えています。
粟国村の特産品である「粟国の塩」や「そてつ味噌」などの土産物も購入できます。
所在地: 〒901-3702 沖縄県島尻郡粟国村東463
定休日:土・日
営業時間:9:00〜18:00
電話: 098-988-2261
URL:https://www.ja-okinawa.or.jp/store/detail.php?id=562
浜売店
こちらのお店は粟国港から歩いて約8分くらいで行ける場所にあります。
食品や日用品におにぎりやお惣菜、さらには釣具にお薬と豊富な品揃えは島一番と評判です。
営業時間も7:30〜21:00と朝から夜まで営業しているので、非常に使い勝手が良く便利なお店です。
所在地: 〒901-3701 沖縄県島尻郡粟国村浜145
定休日:不定休
営業時間:7:30〜21:00
電話: 098-988-2360
URL:ー
特産品販売所 とび吉
粟国港から徒歩3分ほどの場所にある鮮魚店です。
島で採れた魚や那覇から仕入れたものも並び、手頃な価格で美味しい魚が手に入る人気店です。
お刺身や天ぷら、お寿司もあり珍しい粟国産ヤギ肉も販売しています。
所在地: 〒901-3701 沖縄県島尻郡粟国村浜431−1
定休日:火水
営業時間: 10:30〜18:00
電話: 098-988-2611
URL:ー
粟国村の求人状況
全体的な求人数と多い仕事
ハローワークにある粟国村の求人数は、2024年1月時点で1件の求人募集がありました。
(参照:ハローワーク求人情報)
また粟国島ポータルサイト「Agunity」の仕事情報では4件の求人募集がありました。
(参照:Agunityお仕事情報)
粟国村で多い仕事
・医療事務
・介護職
・調理職員
・宿泊施設スタッフ
給料の相場
粟国村の求人平均給与 | |
正社員 平均月給 | 155,015円 |
アルバイト・パートタイム 平均時給 | 960円 |
粟国村のビーチ一覧
長浜ビーチ
粟国島の東側に位置する真っ白な砂浜が約1kmにわたって続く天然ビーチです。
地元の人からは「ウーグの浜」と呼ばれ親しまれています。
海は遠浅で美しい珊瑚の砂浜が広がり、シャワーとトイレも完備されているので快適に海水浴を楽しむ事ができます。
また島の東端にあるビーチなのでサンライズビュースポットとしても有名です。
ヤヒジャ海岸
粟国島でかつて火山活動があったことを証明する岩石や地層が見られる海岸です。
白色の凝灰岩でできた崖は高さ30mに達しており、そのダイナミックさには圧巻の一言です。
海岸には溶岩が急に冷えて固まった黒い層や火山灰の鉄分が酸化した赤い層が見られ、大地の神秘を感じる事ができます。
沖縄でこのような凝灰岩の地層が見られるのは粟国島のヤヒジャ海岸だけです。
西の浜
映画「ナビィの恋」のロケ地として有名な浜です。
幅10mほどしかない小さな砂浜ですがプライベート感も満載で、ゆっくりと静かに海を眺めたい人にぴったりな場所です。
周りには遊歩道が整備されベンチのある休憩所も設置されており散策にもオススメです。
粟国村の観光スポット一覧
マハナ展望台
粟国島の最西端に海抜約90mの絶壁がそびえ立つ崖の「筆ん崎」があります。
その崖の上に広がる草原に設置されたむんじゅる笠を型取った屋根が特徴の展望台です。
展望台からは見渡す限り東シナ海が広がり、天気が良ければ東に沖縄本島、南に慶良間諸島、南西に渡名喜島、 西に久米島などの島が見渡せます。
さらに夕暮れ時には絶景のサンセットをパノラマで楽しむ事ができる粟国村一の絶景スポットです。
洞寺(てら)鍾乳洞
粟国島の北海岸近くにある周囲を雑木林で囲まれた場所の大きな鍾乳洞です。
約200年前に問答に負けて流刑にあった僧侶が住み着き、鍾乳洞で亡くなるまで読経をして過ごしたと言い伝えられ洞寺(テラ)と呼ばれるようになりました。
鍾乳洞の中は整備され見学コースに沿って歩道が設けられています。
古くから信仰心が強い島の人々はこの場所を聖地を崇め、島内外の信仰者の拝所になっています。
東ヤマトゥガー
東ヤマトゥガーとは島の南西部の海岸近くにある神秘的な巨大割れ岩です。
岩の間は幅約1mほどしかなく両手を広げれば届くほど狭の狭さですが、そこを抜けると火山活動でできた地層を見る事ができます。
さらに先には数十年前まで使われていた「簡易水道施設跡」が今も残されており、粟国島の歴史に触れることができます。
ダイナミックな岩を間近で見る事ができますが、岩場を通る際は落石にご注意ください。
沖縄海塩研究所
島の最北部の海岸沿いに佇む海塩の研究所です。
こちらでは全国的にも有名な「粟國の塩」が製造されており、その製造過程を見学することができます。
穴あきブロックを高さ10mも積み上げた立体式塩田タワーの中では1万5千本もの竹が吊され、その竹に海水を循環させてミネラル豊富な自然の海塩を生産しています。
粟国村の自然でしか生産できない海塩をぜひ一度味ってください。
粟国村のカフェ・コワーキングスペース一覧
しまカフェ ヒージャー珈琲
粟国村にあった空き家を島の住民でセルフイノベーションして作られたカフェです。
オーナーは東京からの移住者で島の人たちのコミュニケーションの場にしてもらったり、観光客に粟国村の魅力を味わってもらおうという思いからカフェをオープンしました。
店主自ら無農薬で育てるハーブ”バタフライピー”を使った色鮮やかなパフェやドリンク、島野菜を使ったワンプレートランチなど粟国の自然を味わえるメニューが豊富です。
おしゃれで写真も映えるメニューは健康志向の方にもオススメです。
Bakery cafe AGUNI_FAN
粟国村で焼きたてのパンを食べるならこちらの「AGUNI_FAN」がオススメです。
白を基調としたシンプルな店内で香ばしい香りが漂う焼きたてのパンと美味しいドリンクがいただけます。
粟国島特産のもちきびや黒糖を使ったパン、「粟國の塩」が使われた”塩パン”など粟国村を味わえるパンがたくさん並んでいてどれも大人気です。
オーナーは粟国村地域おこし協力隊としても活動された経験もあり、美味しいパンをいただきながら粟国村の魅力も教えてもらえますよ。
喫茶まはな
粟国島で一番の景勝地であるハマナ展望台近くにある粟国村観光協会直営の喫茶店です。
粟国島パークゴルフ場に併設されており広々とした景色を楽しみながらのんびりと食事を楽しむことができます。
粟国産もちきびご飯を島の形にしたカレーから粟国産黒糖を使ったぜんざいやドリンクと豊富なメニューは価格もお手頃です。
ちょっと小腹が空いた時や一休みしたい時にお立ち寄りください。
粟国村のお祭り、イベント、花火は?
1月 マースヤー
大晦日の夕方から元旦の朝方にかけて行なわれる100年以上続く粟国島の伝統行事です。
子供から大人までが各家庭にマース(方言で塩を意味する)を配りながら練り歩き、踊りや歌を披露して無病息災と豊穣を祈ります。
その際各家庭からはご馳走やお酒、お菓子が振る舞われとても賑やかな宴会が行なわれ村人たちの笑顔で溢れています。
また踊りや衣装は地区ごとで様々な違いがあり、代々その地区でのみ受け継がれているためマースヤーの見どころです。
きらびやかな衣装は美しく歌や太鼓・三味線の音が夜空に響き渡り、粟国村の伝統が感じられる行事です。
6月 粟国村ハーリー
旧暦5月4日に海の神様への感謝と航海の安全・大漁を祈願する伝統行事です。
粟国漁港にてサバニと呼ばれれる伝統漁船を使った競漕(ハーリー)が開催され、「浜」「東」「西」の3つの集落による対抗競漕や子供ハーリーなど部門ごとに熱戦が繰り広げられます。
ゴールデンウィークごろに梅雨入りする沖縄では、ハーリー鉦(かね)の音が響き渡ると夏が訪れるといわれています。
海人に古くから伝わる沖縄の伝統行事に触れることができる貴重な祭りです。
8月 ヤガン折目(やがんうゆみ)
旧暦6月24日から3日間行われる粟国島最大の祭祀です。
1日目に拝所に集まって山の神を迎え、2日目には大中の火ヌ神の祠前に集まり神の来臨の御礼と翌日の折目の案内と無事を祈願します。
最終日は朝のウンヌキグト(お願い事の申し開き)に始まり、村民をはじめ一般人もイビガナシー(八重大中)に集まり健康や子宝を授かるよう祈願します。
夜には奉納相撲やライブも行われ多くの人で賑わう盛大な神事です。
10月 粟国島「ア」の国まつり
粟国村が目指す【遊び学ぶ】【味わい祈る】【会い集う】【編み結ぶ】【開け拓く】といった5つの「ア」をコンセプトに、島民と来島者が会って集まって交流するイベントです。
伝統芸能の体験プログラムやカラオケ大会など島民や来島者みんなが参加して楽しめるイベントが盛りだくさんです。
またアーティストによる音楽ライブや民謡ライブもあり、最後には花火が粟国島の夜を彩ります。
多くの人で賑わうイベントなのでぜひ粟国島の人たちとの交流を楽しんでください。
粟国村がオススメな人とオススメでない人
オススメな人
粟国村での生活はとても穏やかで、日が上り日が沈むことを感じながら生活できるほどゆっくりとした時間が流れています。
忙しなく生活する都会の喧騒を忘れたい人にはうってつけな移住先と言えるでしょう。
また人口も少ない小さな粟国島では不便な面も多く、島民同士が協力して支え合って生活しています。
島民との交流は生活する上で必要不可欠になってきますので、人付き合いが好きな人や得意な人にはオススメです。
オススメでない人
粟国村は小さな離島がゆえに生活で不便な面が多くあります。
そういった不便さも楽しめる人なら良いですが、快適な生活を求める人には移住をオススメできません。
また近隣住民との交流も島暮らしの醍醐味ですが、密接な交流をわずらわしく感じる方や苦手な方は移住に向いていないでしょう。
まとめ
粟国村の住みやすさや環境について解説しました。
沖縄本島から離れた小さな島の粟国島は、観光地化されていない昔ながらの沖縄の姿を残し古き良き伝統を今も受け継いでいます。
多くの伝統行事は文化を学び体験できることはもちろん、島民との交流で絆を育む絶好の機会にもなります。
人と人との繋がりを楽しみながらのんびりした沖縄生活を満喫しましょう!